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[2024ー144]江陽中学校で出前授業をした

 1月27日(月)、海洋開発科3年「課題研究」津波防災班の4名が、八戸市立江陽中学校を訪問し、3年生(34名)を対象に出前授業を実施しました。
 この出前授業は、岩手県教育委員会の事業「いわての復興教育スクール<沿岸>」に基づき、本校が推進する「種高の復興教育」の4つの教育的価値「生きる・関わる・備える・語り継ぐ」を踏まえて実践するものです。
 津波発生装置を活用し、自然災害が発生するメカニズムや地域の災害リスクを小中学生に伝えることを目的としています。

学校のトラックから実験装置などを降ろして運び込みます
会場に実験装置をセッティングします(水平に据え付けるのが肝心!)

 据え付けが終わり、いよいよ出前授業が始まります。

 冒頭で、江陽中学校の先生が本日の出前授業の趣旨を説明してくださいました。

出前授業の趣旨を説明してくださり、ありがとうございます
久々の出前授業で緊張する4名
はじめに、地震や津波が発生するメカニズムや種市漁港の津波の映像を紹介しました
水深と津波の速度の関係を調べています

 地震や津波が発生するメカニズムをスライドで説明した後、水深と津波の速度の関係を細長い水槽を使って実験しました。津波の速度は水深が深いほど速く水深が浅いほど遅いことを実験で確かめました。津波の速度は、次の式で求めることができます。
   津波の速度 = (水深 ✕ 重力加速度)の平方根
 
この式から、津波の速度は水深5,000mの沖合で約800km/h、水深10mの海岸で約36km/hと算出されます。この結果、海岸で速度が落ちた津波に後ろから速い津波がどんどん追い付き、重なるようにして水位が高くなる訳です。リアス海岸のように湾や入り江の奥が狭い所では、津波が左右から集まってさらに水位が高くなります。

中学生も実験に参加し、津波を起こす係とストップウォッチで計測する係を担当しました

 水深による津波の速度の違いを実験で確かめた後は、クイズ形式で地震と津波への理解を深めました。

ここで皆さんに問題です
江陽中学校の海抜高度は?

 江陽中学校の海抜高度はどのくらいでしょう? 国土地理院の電子地図(地理院地図 / GSI Maps|国土地理院)によると、校門付近で5m。八戸市の津波ハザードマップ(津波ハザードマップ/八戸市)で、江陽中学校が津波浸水区域に立地していることを改めて確認しました。

 クイズで一息ついた後、地盤の「液状化現象」の実験をしました。

まず、砂と水を混ぜてしっとりさせます
砂の上に住宅や道路の模型を並べて小槌でトントンたたくと(地震が発生したイメージ)
なんと地下水がいてきて
地面がドロドロになり(液状化)、地下に埋設していた水道管などが浮き上がってきました

 最後に、災害時に使えるエアベッドを体験したり、非常持ち出し袋の中身を確認したりして、出前授業を終了しました。

寝心地はいかがですか?
非常持ち出し袋の中身は何かな?
江陽中学校3年生の皆さん、ありがとうございました!

 江陽中学校3年生の皆さん、高校受検が目前に迫った時期であるにも関わらず種市高校の出前授業を聞いていただき、ありがとうございました! 

 ※ 写真は、八戸市立江陽中学校から許諾を得て掲載しています。


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