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[2024-14]新聞記事に学ぶ(2学年NIEの取組)

 令和6年4月5日(金)始業式。2年生は学年集会で学年長から「毎日続ける」ものを提案されました。

学年長「新聞記事の視写を毎日続けましょう」

 
 学年長が提案したものは、「2学年全員で毎日同じ記事を読み、視写しましょう」という エヌアイイー活動でした。

 エヌアイイーとは、

Newspaper in Education=学校などで新聞を教材として活用する活動です。1930年代にアメリカで始まり、日本では85年、静岡で開かれた新聞大会で提唱されました。その後、教育界と新聞界が協力し、社会性豊かな青少年の育成や活字文化と民主主義社会の発展などを目的に掲げて、全国で展開しています。

NIE 教育に新聞を

 2学年は、学習時間よりもスマホやゲームに費やす時間が多く、学習に対するモチベーションを保つのが難しい生徒が一定数いることが課題でした。
 定期考査前の学習だけではなく、「毎日少しの時間でも机に向かって集中する」という「自宅学習の習慣づけ」のために、この4月から始める試みです。
 また、今年度から種市高校では、岩手日報社の「+日報~確かな情報スクエア」プログラム(新聞データベース)を取り入れ、NIE活動の幅が広がったのを契機に、まずは「視写」から始めることにしました。

 

 やることはシンプルです。
 岩手日報朝刊の2面にある「ひと」という記事を、1日一つ視写するというもの。
 この「ひと」という記事は、岩手県ゆかりの人物のおもしろい取り組みやちょっと変わった趣味や特技を、岩手日報社の記者が1日一人紹介しています。
 500字程度の短い記事ですが、その人物の生き方や勤労観・職業観、思いなどがギュッと詰まった興味深いものです。特にも、自己の在り方・生き方や進路選択に悩む2年生にとって、人生のセンパイである様々な人の生き方を1日一人ずつを知ることができ、視野を広げるという意味で格好の題材です。

 記事を見て書くという行為によって、

1 文字を正しく美しく丁寧に書く姿勢を身に付ける
2 正しい文章表現を学ぶ
3 毎日机に向かう習慣をつける
4 多くの人々の生き方を知り、進路選択につなげる機会にする

ことをねらいとしています。


 初の提出日である4月9日(火)には、2学年全員が提出。そのあとも4月12日(金)まで、毎日全員が忘れずに提出しています!

 
 生徒の取り組み状況を見ると、1つの記事(500字程度)を視写するのにかかる時間は平均で15分ほど。これを毎日続けると、1週間で105分、1ヵ月で450分、1年間で5,400分(=90時間)、机に向かって集中していることになります。

 
 令和6年4月12日(金)、この日は国語の授業で「視写」に取り組みました。

 今日取り上げる「ひと」は、「人生を変えたいなら自分が変わるしかない」と県職員を辞職後、アウトドアショップをオープンした久慈市出身のセンパイの記事。久慈市出身ということもあり、生徒の興味関心も高いようです。


普通科進学コース 静かな教室にペンを走らせる音だけが響きます
じっくりと記事を読みながら視写しています 
字を丁寧に書こうとすると、自然と背筋が伸びます


普通科就職コース  こちらも静かに集中しています
行を飛ばさないように慎重に確認中


海洋開発科 「めんどくさいな~ やりたくないな~」と乗り気になれなかった生徒も…
みんながやりはじめると一気に集中!


 ほとんどの生徒が15分程度で書き上げました。終わった後にもう一度読み返して内容をおさらいする生徒もいれば、「手が痛い!」と話す生徒も。

 授業で実施したことで他の生徒の取組の様子が分かったようで、「みんな結構集中しているんですね… 家でスマホを見ながらやるのはよくないですよね…」と反省した生徒もいました。


 静かに文章に向き合うことで集中力が高まり、記事の内容について考える習慣が身に付きます。

 千里の道も一歩から
 2年生が始めた毎日の「読むこと」と「書くこと」は、学習の根幹です。
 この日々の学習の積み重ねが、きっと実を結ぶはずです。

「種高生 芽を出せ 花咲け 実を結べ」


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