[2024ー84]「カリンの種」が芽を出した!!
8月8日(木)、「いわて高校生学び応援プロジェクト 『探究活動・課題研究コンクール』」が岩手県立大学で開催されました。
普通科3年の下苧坪果凜さんが、「総合的な探究の時間」で取り組んだフリーペーパー「カリンの種」の制作について、洋野町が抱える課題や自分自身の問題意識を交えながら発表を行いました。
一次審査では、発表を想定してパワーポイントで制作していた資料を県立大学に提出。
自分の口で説明できない審査のため、資料にどんな内容を、どのくらいの分量で記載すべきか、どのように表現すべきか・・・制作に苦悶する日々が続きました。
自分自身が感じていること、考えていることを「言語化」する作業を通じて、探究活動の意義が明確に見えてきたようでした。
一次審査通過の通知を受け、プレゼンの練習に取りかかりました。練習を進める中で、伝えたいことが多く、すべてのスライドについて話していると規定の15分以内に収まらない・・・しかし、淡々と説明するだけではつまらない・・・
重要なことを的確に伝え、なおかつ聞き手を飽きさせないようにすべく何度も何度も原稿を練り直しました。
8月2日(金)、洋野町役場職員や種市高校地域協働コーディネーターをお招きし、プレ発表会を行いました。また、デーリー東北さんもいらして、取材をしてくださいました。
ここでは、彼女が抱えている課題意識について、役場の方々から行政の視点で御意見をいただきました。一口に「人口減少」と言っても、様々な課題が複合的に絡み合っていること、少子高齢化が進んでいるため町からの情報発信の方法が難しいことなど、多角的な視点からお話をいただきました。
プレ発表会では、緊張やプレッシャーでうまく説明できず、ちょっと自信を失ってネガティブ思考になってしまったようでしたが、後日、発表を聴いてくださった先生方に自らアドバイスをもらいにいくなど、とにかく前向きに頑張って準備を進めました。
そして、当日。
岩手県立大学の講堂の大きなステージでいよいよ発表です。
審査員の先生方による質問・意見の時間に、岩手県立大学の鈴木厚人学長からこんな御講評をいただきました。
・進み方としてはゆっくりだが、確実に前に進んでいる探究活動で感動した。
・種市地区だけでなく、大野地区も取り上げよう、連携しようという姿勢が素晴らしい。地域の魅力発信は、ともすれば自分の地域の殻に閉じこもってしまいがちだが、他地域も対象にしようという試みは、地域連携の新しい形を見た思いがする。
また、他の審査員の先生から、「フリーペーパーの取材を続けていくと、魅力として発信できるものが無くなっていく(ネタ切れする)のでは?」との質問がありました。
しっくりする答えを出せぬまま次の質問に移ってしまいましたが、彼女の持ち時間が終わる間際に「最後に私からひとつ話をしてもいいですか?」と切り出しました。
「発信する魅力がなくなったら、新しい魅力となるものをつくっていけばいいと思います!」と胸を張って発言! 彼女らしい発想です。
これには審査員の先生方も度肝を抜かれた様子でした!
昼食を挟んで、いよいよ結果発表。
見事、「最優秀賞」をいだだきました!
これまでの「総合的な探究の時間」の活動や、プレ発表会でうまく出来なくて落ち込む姿を見てきただけに、本番でマイクを持った途端にスイッチが入った彼女を見て感動に胸が震えました!
結果発表のあと「よく頑張ったね」と声をかけた教員に、「これはまだ通過点ですから」と答えた彼女の凛々しい眼差しが忘れられません。
審査員の先生方からの講評を聴いて、これまでの努力や苦労が報われると同時に、何よりも彼女自身が「楽しい」と思って続けてきたことが評価され、自信になったはずです。
フリーペーパーの制作に限らず、彼女の「なんでも楽しみながら挑戦しよう」とする姿勢や、「常にアンテナを高く張り、ユーモアを忘れない」姿勢こそが、今回の「最優秀賞」という結果につながったのだと思います。
そして、フリーペーパー制作にあたり、取材に応じてくれた方々や配架に御協力くださっている方々、洋野町役場の御協力あっての結果です。この場を借りて、改めて感謝申し上げます。
彼女が話すように、これはまだまだ「通過点」。
この先、「カリンの種」がどんな花を咲かせるのが楽しみです!
今回の探究活動の発表会は、10月12日(土)・13日(日)に開催される種市高校文化祭で発表する予定です。
気になる方は、ぜひ「種高祭」にお越しください!
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